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2009.12.21

文科省調査 いじめ2年連続大幅減

 11月30日、文科省は08年度の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果を公表した。それによると、児童生徒の暴力行為の発生件数は5万9618件(前年比6862件増)と、過去最多となった。  「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(以下、本調査)とは全国の国公私立の小中高校を対象に、暴力行為、いじめ、自殺、出席停止、教育相談の状況を調査したもの。文部科学省が教育委員会を通じて毎年実施している。  08年度の暴力行為の発生件数は5万9618件(前年比6862件増)と3年連続で増加、本調査開始以来、最多となった。小中高別に見ていくと、小学校6484件(前年比1270件増)、中学校4万2754件(前年比5951件増)、高校1万380件(前年比359件減)だった。  暴力行為は、「対教師暴力」8120件(前年度比1161件増)、「生徒間暴力」3万2445件(前年度比4049件増)、「対人暴力」1724件(前年度比41件増)、「器物破損」1万7329件(前年度比1611件増)だった。  いじめについて、学校が認知した発生件数は8万4648件(前年度比1万6449件減)と、2年連続で大幅に減少した。学年別に見ていくと、小学校4万807件(前年度比8089件減)、中学校3万6795件(前年度比6710件減)、高等学校6737件(前年度比1618件減)、特別支援学校309件(前年度比32件減)だった。本調査ではあわせていじめの「解消率」に関する調査が行なわれており、「解消率」は前年度とほぼ同じ79・8%だった。  一方、小中高校において自殺した児童生徒数は136人(前年度比23人減)だった。自殺の主たる原因で、もっとも多かったのが「不明」73人(53・7%)、つぎに「進路問題」16人(11・8%)、「家庭不和」13人(9・6%)と続いた。自殺の理由として、「いじめ」に該当したのは3人(2・2%)だった。  本調査はこれまでに、暴力行為、いじめなどの該当基準について数回の見直しが行なわれている。とくに、06年には調査対象が国立と私立にも拡大されたほか、暴力行為の基準について、警察への被害届、医師の診断書がないなどの軽微な事例についても報告対象となった。したがって、今回の本調査では児童生徒による暴力行為が統計上では過去最多の件数となっているが、過去の調査結果との単純な比較はできない。   今回の調査結果を受けて文科省では本紙取材に対し「調査方法が以前のものと異なっており、単純に『キレる子ども』が増えているとは言い切れない。また、いじめ件数の減少についても隠れているいじめの存在も無視できず、引き続きていねいな取り組みが必要であると考える。今回の調査結果において、暴力行為により病院で治療を受けた件数がおよそ1万件あり、児童生徒の暴力行為の実態として、その数字が今後どう変化していくのかを注視したい」との見解を示した。 ◎暴力行為の「新定義」 06年改訂  暴力行為は定義が定められておらず、下記の「例」が示されている。暴力行為に該当するのは、例に相当、またはそれ以上のケース。その際、被害届、診断書は不要。 ◎「対教師暴力」の例  教師の胸ぐらをつかんだ/教師に椅子を投げつけた ◎「生徒間暴力」の例  生徒同士がささいなことでけんかとなり、怪我をした/  学校の出身者が後輩に計画的に暴行 ◎「対人暴力」の例  見知らぬ生徒と口論になり、殴打の末、怪我を負わせ  た /卒業式で来賓を足蹴りにした ◎「器物損壊」の例  ドアを故意に損傷/学校の動物を故意に傷つけた