最新号トピックス

2011.11.01

来年度の不登校政策は2事業のみ

 9月、文科省は2012年度予算の概算要求を発表した。要求額は5兆7037億円。不登校に関連する名目で予算要求があったのは、「生徒指導・進路指導推進事業」と「生徒指導等に関する調査研究」(不登校追跡調査)のみ。2001年には不登校児童数が13万8000人と過去最多となったことを受け、同省は「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業」を03年から開始した。04年には同事業におよそ10億円の予算がつくなど、不登校に特化した施策が多く盛り込まれたが、近年は減少傾向にある。  一方、特別支援教育に関連する予算要求額が伸びている。その背景に、特別支援学校に通う児童生徒が増えている実態がある。昨年度の在籍者数は13万1277人と、統計上、不登校の児童生徒数より多い。今年8月には「改正障害者基本法」が施行されたことも相まって、特別なニーズを要する子どもたちの早期発見、早期対応という流れが強まりつつある。発達障害もその一つだ。特別支援教育推進事業では、発達障害のある生徒への教育支援や相談体制の充実に加え、キャリア教育を通じた進路指導にも重点をおく。  発達障害などに関しては、レッテル貼りや過度な医療連携による弊害など、市民側からの異論も根強い。今年3月に厚生労働省の調査で、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害と診断された高校生年齢までの子どもに対し、専門医の7割が精神安定剤などの向精神薬を処方している実態が明らかになった。こうした情勢を鑑みつつ、注視する必要がある。  加えて注目すべきは「学校保健課題解決支援事業」(5600万円)だ。子どもの現代的健康課題に対し、医療機関などとの連携支援を行なう新規事業。健康課題として同省が想定しているのはアレルギーや性の問題のほか、メンタルヘルスも含まれる。そのほか、震災・復興に関連する新規事業も盛り込まれた。「被災地へのスクールカウンセラー派遣事業」(55億円)、「学校における防災教育推進事業」(79億円)、などがおもだったところ。