最新号トピックス

2010.09.16

2011年度概算要求まとまる 不登校・ひきこもり対策21億円

 8月31日、各省が概算要求をまとめた。来年度の不登校・ひきこもり対策は総額で21億円。文科省はスクールカウンセラーの拡充配置、不登校対策研究会の設置、厚生労働省はアウトリーチ(家庭訪問)の拡充などに重点を置いて施策を進める方針だ。  文科省による不登校に特化した対策は研究会の設置(1351万円・新規)のみ。研究会の設置は、「これまでの不登校対策を検討し、より適切な支援を実施するため」としているが「学校復帰を前提とした検討」だとしており、抜本的な方針転換は検討されていない。一方、スクールカウンセラー事業は今年も拡充を目指しており、2000校の配置拡充を検討。また、スクールソーシャルワーカーの配置は前年とほぼ同様に1096人程度の配置を想定している。  厚生労働省によるひきこもり・ニート対策の大きな目玉は、「若者職業的自立支援事業」(20億円/拡充)。この事業では、若者の自立支援を目的とした若者サポートステーションの拡充(100カ所→110カ所)と、アウトリーチ(家庭訪問)事業の拡充(50カ所→60カ所)を行なっていく。一方、内閣府もひきこもり・ニート対策として、関係機関のネットワーク形成を行なえる「中核的支援員」の養成事業を行なう(7800万円)。  発達障害については、文科省、厚生労働省がともに対策事業を計上(約97億円)。おもに特別支援学校(旧特殊学校)・特別支援学級(旧特殊学級)への就学奨励金事業(85億円)が予算を占めた。そのほかでは研究委託事業、巡回指導員の体制整備などを予定。  民主党政権は「新しい公共」の実現を掲げている。「新しい公共」とは、これまで行政が独占してきた公共サービスを市民・企業もその担い手になっていくことを指す。この流れを受け、内閣府では「総合特区の創設」、文科省は「地域コミュニティ学校の構築」などの事業を盛り込んだ。  総合特区は、地域を限定して規制緩和を認める「構造改革特区」制度を拡充した制度(823億円)。構造改革特区は財政支援がないなどの理由から年々提案が減少していたが、総合特区では、税制優遇や財政支援などの措置も可能。これにより、現行の規制緩和に加え、諸外国を手本とした税制の優遇措置を実施することも可能になった。現段階では、経済振興に関する提案が注目を集めているが、内閣府は「分野を絞る気はなく、地域活性化に向けた教育分野の提案も公民を問わず求めたい」と話している。また、地域コミュニティ学校(コミュニティスクール)事業(1億7800万円)について、文科省は「学校にまつわる規制が多いのだが、縛りをとってなるべく多くの市民に参画してもらい、新しいかたちを実施していきたい」と話している。 ■来年度のおもな要求事項 ◎不登校対策……新規に研究会を設置 ◎ニート対策……家庭訪問事業の拡充 ◎発達障害 ……就学奨学金に85億円 ◎新しい公共の実現…… 【1】総合特区の創設 【2】コミュニティスクールのモデル実施