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2008.09.15

不登校など対策予算63億円

 文部科学省が2009年度予算の概算要求をまとめた。不登校・いじめなどの対策予算は63億円(昨年度より3200万円増)。文科省全体の予算を見ると、新学習指導要領を一部実施するため非常勤講師の1万1500人配置、道徳教材の国庫補助制度や、中学校の武道必修化に向けた武道場整備費が新規事業として盛りこまれた。総額は12・8%増の5兆9472億円。  不登校・いじめなどの対策事業は新規事業こそなかったが、スクールカウンセラー配置(36億円)とNPOへの実践研究委託(1億円)は、予算拡充案が盛りこまれた。スクールカウンセラーの配置は小学校1100校から2200校に倍増。地域ぐるみで子どもたちを支援することを目的にした学校支援地域本部も3600カ所に倍増する。NPOへの実践研究委託は、委託先を昨年度の15団体から17団体へと拡充する。委託費の上限は500万円程度が検討されている。実践研究委託について文科省は「とくにフリースクールは先駆的なプログラムを実施しており、新たな教育実践の治験を期待したい」との見解を示していた。なお、スクールソーシャルワーカー活用事業(141地域配置・15億4000万円)、いじめ対策緊急支援総合事業(1億円)は継続して実施される。  一方、特別支援教育の推進事業は14億7000万円で、昨年度より8億7000万円増で計上された。全都道府県で環境整備を進めるための総合推進事業(8億円)、教科書の普及促進事業(3億円)がおもな柱だが、NPOへの委託事業も新規事業で立ち上がる。NPOへの委託事業の予算額は1億300万円。委託先は公募により11団体が選定される。  文科省全体で、大幅な予算増額を計上したのが非常勤講師1万1500人配置(152億円)。  さらに、この配置とは別に、来年度は校長や教頭などを補佐する主幹教諭など教員1500人、非常勤講師3500人の増加の予算案を計上した(予算規模・78億円)。文科省は、教員が平均約34時間の残業をこなしていることや病気休職者の61%が精神疾患だったという状況や学習指導要領が改訂されたことを受け、昨年度、3年間で2万1000人の増加を計画した。しかし、財政制度等審議会などで批判があがり、今年度は1000人増の非常勤講師7000人配置という結果で落ち着いた。このため、今回出された来年度の概算要求でも教員1500人増、非常勤講師3500人増、という大幅な増加のない予算案が盛りこまれた。講師の対象は退職教員や社会人で、活用例には不登校への対応や少人数指導の充実などが挙げられている。  このほか、中学校の新指導要領で武道とダンスが必修化されるため、200校で武道場の新設など整備費として50億円が計上された。道徳教育では、民間が作成した教材のなかから財政支援がされ、「準教科書」として使用する経費として41億円が充てられる。