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2008.07.15

与野党日雇い派遣禁止でほぼ一致も 自公、民主マージン率上限規定なし

 自民・公明両党による「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」(座長・川崎二郎氏)は日雇い派遣の原則禁止など労働者派遣制度見直しのための提言をまとめ、7月8日に舛添要一厚生労働相に提出した。すでに民主、共産、社民などは今年4月に労働者派遣改正案や骨子案などをまとめており、与野党ともに日雇い派遣については規制する流れになった。しかし自公、民主がともに「給料の中抜き」と呼ばれるマージン率の上限を定めないことなど、実際に不安定な就労状況に歯止めがかかるのか、疑問の声が挙がっている。  そもそも派遣労働が始まったのは1985年の労働者派遣制定後のこと。施行当初は通訳や機械設計など専門性の高い13業種が対象だったが、規制緩和の流れを受け、96年に26業種へ拡大。99年には原則自由化され、04年には製造業への派遣も解禁された。結果、86年度は14万人だった派遣労働者は、06年度には321万人(厚労省発表)にまで増加した。 今回の改正骨子案発表は、昨年から、ワーキングプア(働く貧困層)やグッドウィルの給料天引き(データ装備費問題)といった問題が注目され始めたこと、今年6月の秋葉原事件の容疑者が派遣労働者だったことなどが背景になっている。  与野党が発表した案を比べると、おおむね一致したのは「日雇い派遣」と「もっぱら派遣」の禁止である。

◎常用型派遣とみなし規定

 自公は専門性の高い業種以外の日雇い派遣を禁止とし、民主、共産、社民は全面的に禁止で一致した。ただし、社民、共産は「常用型派遣を基本」とする一方、自公・民主は常用型派遣には触れずに「2カ月以下の労働派遣の禁止」だけに止まった。常用型とは、派遣会社と雇用契約を結ぶことで、登録型は派遣先の会社と契約を結ぶ。大きなちがいは、常用型の場合、「仕事がない」ときでも派遣会社が社員の賃金などを保障しなければならないこと。厚労省の調査でも、常用型と登録型は、一日平均3500円程度の賃金差があった。また、もっぱら派遣は、企業グループ内での派遣事業について規制を強めたい意向から、禁止する。  自公・民主案と共産、社民案を比較した際、マージン料の上限規定がないことも特徴の一つ。マージン料は「給料の中抜き」とも呼ばれており、厚労省調査では平均32%のマージン料がとられていた。「自立生活サポートセンターもやい」の湯浅誠さんは「データ装備費問題でもわかったように、雇う側がマージン料以外にも『必要経費』という名目で、いくらでも天引できる仕組みになっている。これでは誰だって生活できない」と語る。自公・民主案ではマージン料の情報公開義務のみに止まっている。  このほか、自公、民主と共産、社民間でちがいがあるのは「みなし規定」。みなし規定とは、偽装請負や派遣法に違反した場合、直接雇用したものとみなし、賃金などを保障しなければいけないという規定。違反派遣が発覚した場合も、これまでなら「泣き寝入り」にならざるを得ないケースが多く、「悪質な違反派遣の抑止力にならない」という指摘があがっていた。  派遣の問題にとり組んできた派遣ユニオンでは、今回の発表を受け、1-業種規定がない、2-常用型雇用を基本にすること、3-マージン料の上限規定を決めること、など三点を大筋の訴えとして、自公や民主党に働きかけていく考えだ。