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2015.05.28

学校外の義務教育、法制化へ 早ければ再来年度より施行

fs  不登校の子どもたちが家庭やフリースクールで行なう学習を義務教育と認める法律の試案が、5月27日、フリースクールと夜間中学校の合同議員連盟総会で発表された。両議員連盟の方針は法案を今国会中に成立。来年度の通常国会にて学校教育法を改正し、経済支援制度を構築。運用の基本方針は、文科省の中教審に特別審議会を設け、フリースクール、夜間中学校関係者も交えてガイドラインを作成。早ければ法案の施行は、再来年度2017年度からとなる。  法案の名称は「多様な教育機会確保法(仮称)案」。目的は「さまざまな事情で義務教育を十分に受けていない者(年齢、国籍に問わず)」に対して、教育機会を確保する施策を総合的に推進すること。法案によると、保護者と子どもが学校以外で学ぶことを選んだ場合、親が「個別学習計画」を作成し、教育委員会に申請。教育委員会の「教育支援委員会(新設)」がそれを審査・認定する。学習計画を実施後、教育委員会が修了認定を発行。これにより保護者は就学義務を履行したものとみなされ、子どもは高校などへの進学が可能となる。  両議員連盟の幹事長・会長を務める馳浩議員は「この法案は、フリースクールなどへの機関支援ではなく、個別の子どもの学習権を確保するための根拠となる法案」だと話した。またフリースクールに通いながらも実際には学校に籍を置く「二重学籍問題」についても「この制度を活用することで解消できる」と話す。  幅広い解釈ができる法案となった。英・米では2%~3%の家庭がホームエデュケーションである。日本の不登校の子もほとんどが在宅。今回の動きが、英・米のような状況につながると考えるならば、大きな前進と言える。しかし見方を変えれば、不登校の子がようやく逃げてきた「学校」が、教育委員会や親によって、休む間もなく家にまで入り込んでくるという懸念がある。また家庭教師、塾などにも門戸が開かれたようにも見える。 ◎子どもの意思が充分に尊重されることが必要 多田元  本紙理事の多田元弁護士は「『個別学習計画』が作成時など、十分に子どもの意思が尊重されるべきという視点が弱い」と指摘。具体的には「子どもの意思の尊重」「義務教育無償と対比して公平な経済的支援を受ける権利があること」を基本的視点として加えることが必要。さらに「進学時の差別の禁止」、学齢期超過者の場合「刑務所収容者に対する学習権保障」「国籍・宗教・民族的慣習などへの配慮」などの条項を盛り込むべきだと指摘した。(石井志昂) ◎画期的、評価したい 奥地圭子  この法案は、学校以外の場で学ぶことをはっきり認め、憲法でいう普通教育を受ける親の義務を履行したことになるのは画期的だと思う。もともと学ぶ権利を保障するには学校教育だけで成長しろ、という考えには無理があり、拡がり選べる意味は大きい。多様な教育機会には家庭が入っており、またフリースクール等と「等」がついている。懸念はあるが、まずは一歩、風穴があきそうなことを評価したい。