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2017.05.16

小中高生の自殺、10年連続「学校」原因トップも分析予定なし

96df0e194f124d30ae13874a9874e8a7  警察庁の発表によると、2016年中に起きた小中高生の自殺の原因・動機のトップは10年連続で「学校問題」(複数回答)だった。07年以降「小学生」「中学生」など学校種別での自殺者数、原因・動機がわかるようになった。以来10年間、「学校問題」は小中高生の自殺の原因・動機として突出して多かった。  警察庁では、遺書などをもとに「明らかに推定できる原因・動機」を自殺者1人につき3つまで計上している。2016年に起きた小中高生の自殺のうち、原因・動機別件数を見ると、トップが「学校問題」116人。ついで多かったのが「家庭問題」75人。過去10年間の統計を見ると「学校問題」が平均122人。ついで多かったのが心身の病気など「健康問題」が平均64人。「学校問題」と「健康問題」を比べた場合、前者は後者の2倍近い人数となる。  不登校の相談を受けてきた心理カウンセラー・内田良子氏は「学校が子どもの存在やいのちをおびやかす場に変質してきていることを表している」と言う。子どもの自殺をめぐっては『子ども自身の心が弱い』『命の大切さがわかってない』など個人の心の問題や家庭の問題を指摘する声も多かった。これに対し、内田氏は「子どもの遺書からは『いじめ自殺』や、教師の体罰や懲罰など『指導による自殺』などが背景だったことがわかってきており、統計によって社会問題であることが明らかになった」と話す。  一方、厚生労働省の自殺対策推進本部は、自殺に関して「多様かつ複合的な原因及び背景を有している」との見解は示したものの、「学校問題」が小中高生自殺の原因として突出していることについては「分析をしていない」と回答。さらに「今後も分析する予定はない」という。  なお、小中高生の自殺者数は320人(前年比29人減)、10万人あたりの自殺率は2・4人(前年比0・2人減)でともに減少した。(石井志昂)