最新号トピックス

2011.03.31

不登校世帯の増税問題 対応求め、要望書提出

高校無償化の実施にともなう税制改正で、不登校や高校中退者がいる世帯の税負担が増える問題をめぐり、市民側から反発の声が上がっている。NPO法人フリースクール全国ネットワークは 3月3日、「高校無償化に伴う税負担増への対応と教育格差是正を求める要望書」を首相、政府税制調査会長、文科省政務三役のほか、フリースクール環境整備推進議員連盟などに送付した。適切な対応を求める足がかりとする方針だ。 * この問題は2月11日~12日にかけて行なわれたJDEC(日本フリースクール大会)でも議論され、市民側から是正を求める要望書を提出することになった。要望書では「高校無償化の財源として16歳から18歳までの特定扶養控除が縮小されることになったが、その年齢のなかにはフリースクールなどに通っている子どもたちも多数いる」と指摘。たんなる負担増となる家庭が出ることについて、適切な対応を求めたいとしている。3日現在、16団体、205名の団体・個人が賛同している。同ネットワークでは今後も引き続き、署名を募っていきたいとしている。

不公平感の声、各党の対応は

高校無償化は、民主党政権の目玉公約の一つだ。ところが実施に際して財源不足が露呈し、急遽16歳から18歳までの子どもを持つ世帯の特定扶養控除の縮減分を財源に充てることにした。その結果、不登校の子を持つ世帯が高校無償化を支えるという不利益が生まれるしくみとなった。これは2009年12月の政府税制調査会で決められ、税制改正大綱では「適切な対応をする」との文言が加えられていたが、具体的な負担軽減策は平成23年度予算案では盛り込まれなかった。 この件について民主党は本紙取材に対し、「高校などに通っていない子どもについては、『子ども・若者ビジョン』に基づき、関係府省が『若者の職業的自立、就労等支援』や『ニート・ひきこもり・不登校の子ども・若者への支援等』の施策に取り組む」とコメントした。一方、自民党は次年度予算案についての対案を2月25日に発表。「高校無償化を廃止すれば3900億円を捻出でき、真に必要な新たな教育費軽減策(約2000億円)を設ける」としている。本紙取材に対し「一律に無償化するのではなく、経済的に苦しい世帯などに対し、月額2万の給付による教育費軽減策を講じる考えがある。フリースクールに関しては線引きは難しいが高等学校に準じるような活動をしている場所に通う場合には、支援の適用を考える余地はある」とコメントした。 高校無償化実施後に政権を離れた社民党は「矛盾があることは知っている。フリースクールや朝鮮学校に通っている子も、中卒で働きながら通信教育を学んでいる子も、学ぶ意欲のある子ども・若者の学びを全面的に支えるしくみづくりに尽力したいという思いに変わりはない」と話す。 ■連絡先 「高校無償化にともなう不登校世帯への増税」に対する要望書に関する疑問や質問などについてはNPO法人フリースクール全国ネットワークまで。 TEL:03-5924-0525 MAIL:info@freeschoolnetwork.jp 参考リンク:高校無償化に伴う税負担増への対応と教育格差是正を求める要望書