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2011.02.16

子どもが語る学校外の居場所

吉田彩花さん  今号はフリースペース「えん」に通う吉田彩花さん(18歳)に、執筆いただいた。吉田さんは現在準備中のたまりばフェスティバルにあわせて、不登校当時の思いや居場所についての思いを書いてもらった。  みなさん、はじめまして。「フリースペースえん」の吉田彩花です。  今日は3月5日に開かれる「たまりばフェスティバル」の紹介をしたいと思います。  そもそも私が「えん」に来たのは4年前。母親に「ピザ食べ放題のお店に行かない?」と聞かれたのが始まりでした。といっても「えん」はピザ食べ放題のお店ではなく(笑)公設民営型の居場所です。そのお店では母の友人でもある「えん」に通っている人の母親が待っていて、試しに一度、と遊びに行くことを勧められました。母から勧められたら「そんなところに行けるか!」と言っていたところなんですが、他人から勧められると断りづらい(笑)。  そんないきさつで「えん」と出逢ったのですが、初めて「えん」に行ったときのことは忘れません。  第一印象は、とにかくうるさい(笑)。楽器を弾く人、歌っている人、ゲームをしている人、食べている人……みんなが思い思いのことをしていました。当時の私は全身、黒一色の服装。誰とも話さず、話をする気もなく、しかもお風呂にも入っていない(笑)。  それでもスタッフの方に話しかけられて、少しずつうち解けていきました。とくに思い出深いのは初めて八丈島に合宿へ行ったときのことです。テントを張って、泳ぎに行って、釣りをして、ご飯をつくって……日焼けをしまくって、温泉でしみて痛い目にあいました(笑)。夜中に芝生に寝転がって見た星空は忘れられません。 子どもに戻れた  「えん」では、なにか特殊なことをしているわけではありません。ただ、気がついたら、「えん」には私の居所があって、かたくなだった私がほぐれていました。  私は5歳のとき、父と離れて暮らすことになりました。そのころから数年前まで、母は、うつっぽいというか、荒れていました。怒鳴る、殴る、物を投げる。ときどき突然「大好き!」なんて抱きしめてきましたが、そんな母親が私は大キライでした。私も母の影響を受け、弟を叩くし、嘘もよくつきました。自意識が過剰になっていき、小学校2年生ごろには「私を見てほしい」「なんでみんな私を褒めないの」という思いばかりになっていました。学校に行かなくなって、ひきこもりはじめると、さらにかたくなになっていきました。母も母でどうしたらいいのかモヤモヤ、うずうずしていたし、私は私で「こっちも好きでやってるんじゃないんだ、でもどこにも行きたくないんだから、ほっといてくれ」と。そういう悪循環にはまっていました。  「えん」に来て、そんな私がほぐれて、子どもに戻れたという感じがしています。もともとすごく甘えたがりの部分があったのに、誰にも甘えられなくて。でも、「えん」にいる人は、みんながそれぞれの状況にいる。構ってくれる人も、構わない人もいるし、誰がいてもいい。そうすると、自分の立ち位置を考えず、心地いいところを探すことができたんだと思います。  それもこれも「えん」の、騒がしくて混沌とした日々のなかで何となく感じてきたことです。たまりばフェスティバルでは、そんな「えん」の日常をグッと凝縮してお見せすることができます。俳優・片岡五郎さんの演劇講座から生まれた創作劇、えんに関わる多くの人が演奏するフォルクローレ。ほかにもいろんなかたちで「えん」を感じて楽しんでもらえると思います。私も、このたまりばフェスティバルの実行委員会「プロジェクトX」の一員としてや出演者として参加しています。ぜひぜひみなさん、遊びに来てください。 ■たまりばフェスティバル 2011年3月5日 午後2時~5時 場 所 川崎市男女共同参画センターすくらむ21 参加費 大人1200円(子ども100円) 連絡先 044-833-7562