最新号トピックス

2012.01.01

この一年/不登校・教育をめぐる動き

 文科省10年度学校基本調査は、震災の影響で東北3県をのぞく暫定値で公表され、不登校は小中学校で11万4971人。09年度調査と比較して東北3県をのぞく数字は2343人減となる。  10年調査は高校無償化初年度でもある。高校の不登校は5万3084人と前年比2001人増となった。  一方、学校教育現場の権力的統制が司法の場で追認されたことは重要な問題だ。公立学校の卒業式などの行事で日の丸に向かって起立、君が代斉唱を校長が教職員に対して命じることは、憲法の思想・良心の自由を侵害しないという最高裁の合憲判断が6月6日判決をはじめとして相次いで示された。  この問題は、学校現場の教職員に対する権力的統制を象徴するもので、それは通学する子どもに対する統制につながる。最高裁判決には学ぶ主体は子どもという視点が欠落している。同判決には、反対の少数意見として、宮川光治判事の「公立学校はさまざまな価値観をもつ子どもが存在していい場であるから、教師は子どもの多様な価値に対して開かれた存在であることを憲法上求められており、精神的自由に関する問題を多数者の観点からのみ考えるべきではない」との意見が表明された。また、須藤正彦判事は補足意見で、起立斉唱強制が熱意と意欲に満ちた教師による生き生きとした教育の生命を失わせることに懸念を示した。 ◎ 体罰禁止も覆す大阪の動き  この最高裁判例と同じ潮流にある動きとして、学校教育現場への知事など行政の介入を定める大阪府教育基本条例案が府議会に提出された。児童生徒への指導として物理的力(有形力)を使って押さえることも認めており、学校教育法の体罰禁止規定に反するという疑問も生じている(本紙328号参照)。この条例案を推進する維新の会から11月選挙で府知事、大阪市長が当選し、条例は成立する可能性が高い。  09年度全国公立小中高校、特別支援学校教職員の精神疾患(うつ病など)による休職は5458人にのぼることが文科省調査でわかった(本紙306号参照)。荒廃が進む学校の一面を示す数字だ。  不登校の子どもたちに目を転じると、7月「不登校の子どもの権利宣言(追補版)」を、「不登校の子どもの権利宣言を広げるネットワーク」が発表した。学ぶ権利、安心して休む権利、子どもが対等な人格として認められる権利、子どもの権利を知る権利などのそれぞれの条文に、子どもの思いが付け加えられている(本紙322号参照)。これは大人が子どもを大切にする態度を学ぶテキストとも言える。 NPO法人フリースクール全国ネットワークは2月「オルタナティブ教育法骨子案」をまとめ、発表した。憲法26条の義務教育としての普通教育にオルタナティブ教育を含めることやオルタナティブ教育機関(ホームエデュケーションの家庭を含める)への公費助成やオルタナティブ教育の質確保などを提起している。 また、同ネットワークは3月、子どもと貧困の問題に関して、高校無償化の財源確保のために16歳から18歳の特定扶養控除が縮小されることにより、学校へ行かない子どもの家庭に負担増の格差が生じることの是正を政府に求める要望書を出した。