最新号トピックス

2011.01.01

2010年の不登校は

2010年を特徴づけた一つは、夏の猛暑であろう。気象庁によれば、6~8月の日本の平均気温は、統計開始から113年間でもっとも高かったそうで、熱中症で死亡する人も昨年を大きく上まわった。地球環境の問題は待ったなし、と感じた2010年、子どもの数は29年連続の減少で過去最低。大卒就職率は60・8%に悪化。雇用情勢の厳しさは全体におよび、とりわけ20代~30代につらい状況が続いた年となった。  期待された民主党は揺れ続け、支持率も低下。内政・外交問題とも波乱含みのまま年越しとなったが、子どもをめぐる政策では、子ども手当と高校授業料の無償化が実現した。しかし、不登校政策はいまだ手つかずである。格差社会下の2010年の1年をふり返る。(奥地圭子)  毎年文科省が行なっている「学校基本調査速報」の09年度分が8月、発表された。「不登校」の小中学生は前年度より3・4%減少し、12万2432人だった。2年連続での減少だが、ここ12年間は12万人以上という高台で推移している。こうした状況を踏まえ、新しい不登校政策が望まれるところだが、民主党政権になっても「学校復帰が前提」という政策方針は変わっていない。  8月、東京・品川で、高1女子が自宅に放火、両親が重軽傷を負った。これは、本人がいやがっているにも関わらず、寮つきのフリースクールに戻されるというなかで生じた事件だった。  1月には、08年に起こった京都「丹波ナチュラルスクール虐待事件」への判決が出され、子ども6人に手錠をかけ、連行・監禁した元経営者に懲役3年6カ月が言い渡されたが、元経営者はすぐに控訴している。かつてとちがい、不登校やひきこもりの子を預かるところはすぐに「フリースクール」と呼ばれるようになり、不登校を対象としたさまざまな学校が公民問わず広がってきた。そのなかで、子どもはより休みづらい状況があると指摘できる。  ひきこもりで印象的だったのは1月、67歳の父親が38歳のひきこもりの長男を「将来が不安だ」として絞殺した事件だった。5月、厚労省は「ひきこもり相談者の8割が精神疾患だ」という、にわかに信じがたい数字を発表。8月には、内閣府が行なったひきこもり実態調査の結果、ひきこもっている人は推計70万人におよぶと発表した。  文科省は、いじめ・不登校・ひきこもりなどの問題に相談体制や居場所づくりを、官民連携して取り組むとし、「子どもを見守り育てるネットワーク推進会議」を開催。およそ50団体で会議やヒアリングが持たれ、推進宣言も採決されていた。しかし、はっきり言って実際の子どもの状況改善にはいたっていない。11月、国立青少年教育振興機構の調査で、「子どもの自己評価が年齢とともに低下している」との発表が日本の教育を問うていると思われた。(新聞ではその他「格差社会」「市民活動などを掲載)