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2009.12.07

第8回雑誌一徹「日本屋根経済新聞」

 屋根。あるときは雨にうたれ、あるときは夏の日差しに照りつけられる。そんな宮沢賢治の詩のような状況にさらされながら、建物を、人を守り続ける。それが屋根である。しかし、そんなありがたい屋根のことを思いながら生活を送る人々がどれほどいるだろうか。「屋根は帽子の部分で、当たり前にあると思われてしまう。だけど、そこにスポットを当て、興味を持ってもらいたい」、今回はそんな屋根思いの新聞「日本屋根経済新聞」をご紹介したい。  日本屋根経済新聞の発行は1973年。「正確! 公正! 迅速! 先見! 提言! 屋根業界唯一の専門紙」というとても熱いモットーのもと、屋根業界とともに歩んできた。紙面の内容は、屋根業界を取り巻く最新の動きや、新製品の紹介、新しい職人がなかなか育たない、ベテラン屋根職人の苦悩のコラムなども。また2月28日の紙面では、全国からよりすぐりの瓦葺き職人が、たがいの技能を競い合う「全瓦連技能グランプリ2004」の記事が紙面を飾る。個人的には、独特のタッチで描かれた4コママンガ「おれは瓦だ」が気になった。資料としていただいた話のなかでは瓦が1個も出てこなかったが、おそらく登場人物の2人のどちらかが、瓦さんという名なのではないかと思われる。  やりがいを感じる点については「『屋根業界のために汗をかく』というのが方針ですから、業界といっしょに進んでいくことでしょうね」と語り、屋根業界の進歩を期待しつつ、「588年に朝鮮半島から渡ってきた瓦が、いまも奈良で飾られています。つくっては壊すだけではなく、100年、200年といつまでも使えることが、長寿のトレンドになっていくと思います」と、新しさだけではなく、古くともいいものを活かそうとする姿勢がうかがえた。  (株)日本屋根経済新聞社は、ほかにも「季刊ROOF&ROOFING」「屋根の物理学」などを出版。さらに、ホームページは「Yanet(やねっと)」。さらにさらに、リフォーム工事店検索システム「やね屋を探せ」など、とにかく屋根情報満載の出版社である。  「世界の屋根 ヒマラヤ山脈」などと評されるように屋根は象徴であり、家の「顔」でもある。そんな屋根に、たまには思いをはせてはいかがだろうか。     (信田風馬)