最新号トピックス

2009.11.30

第7回雑誌一徹「狆」

 日本原産犬といえば、柴犬、秋田犬、土佐犬が有名。ほかにも、アイヌ犬、甲斐犬、琉球犬、日本スピッツなど、犬種は意外に多い。あまり知られていないが、一番カワイイと思うのが「狆」。体高25㎝程度、平たい顔、大きく丸い目、長い体毛。体毛は白色がほとんどだが、黒、茶のぶちがある。あまり吠えず、体臭が薄く、室内で飼うには適している。雑誌「狆」は、日本狆クラブ(会員174名)の会報である。  雑誌紹介の前に「狆」について、すこしふれたい。狆は、1200年前、奈良時代にチベットから朝鮮半島の高麗を経由して輸入され、犬種が改良された。最初は高麗犬と呼ばれ、狛犬のモデルになったという説もある。当時、狛犬は鎮子(幕をとめる重石)に使われていたため、人々は高麗犬を「ちんす、ちんす」と呼ぶようになった。それが、だんだんと「ちん」と呼ぶようになったのが「狆」の祖先犬だと言われている。ちなみに、犬にも、猫にも見えるため、犬と猫の中間という意味で、けものへんに中を付け「狆」という字になっている。  雑誌内容は、狆の歴史や思いをつづった手記、展覧会の結果と受賞犬の写真など。なかでも、優狆がつどい日本一の座をかけて、火花を散らす展覧会が興味深い。まず、日本一を目指す狆は名前からちがう。「夕月丸」「武千代」「菊丸」「百合姫」「可奈女」など。ポチとか、クロとか、安直な名前はない。興味をひいたのは「龍」。昨年の審査では「顔頭部よく、被毛も申しぶんない犬です。当日はコンディションが悪いのか、走行に軽快さが少なく残念でした」とコンディション不良に泣かされた。しかし、今年は「豊富な頭部とすばらしい顔容で、性的表現力も抜群でした。骨格構成も正しく、バランスも非常に優れています。豊富な被毛、長い飾り毛は丹念に手入れされ、華麗に仕上がっていました。性格穏和で、表情も明るく、ハンドラーの好リードで静・動・美をいかんなく発揮しました」と評され、金賞を受賞。見事なカムバックを果たしていた。どこにでも、ドラマがあるものだ。  雑誌「狆」の手記では「打倒チワワ」をかかげる人もいる。前会長は「狆を飼ってから、ほかの犬種を飼いなさい」が口癖だった。愛されてやまない「狆」。みなさんも「狆のいる暮らし」を考えてもいかがでしょうか。 (石井志昂)