不登校中の勉強と学びなおし 知っておいて欲しい3つの心構え

 「不登校と勉強」は親子双方にとって大きなテーマ。今号より「学びなおし」に関わっている半村進さんの連載を開始します。

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私は10年ほど、不登校やひきこもりなどを経験した方の学びなおしをお手伝いしてきました。そのなかで「学びなおしをするうえで意識しておいたほうがいいこと」が見えてきた気がします。そのなかには「学びなおしを見守る周囲の人たちが意識しておいたほうがいいこと」も含まれます。その「周囲の人たち」の筆頭が親御さんです。この記事では、まずどの親御さんにも知っておいてほしい3つの心構えについてお話します。

①本人が続けやすいスタイルが一番の正解である。

 「学習」や「勉強」という言葉を聞いたとき、どんな姿がイメージされるでしょうか。イスに座っている姿でしょうか。単語帳をめくり続ける姿でしょうか。おそらく寝転がりながらスマホをいじっている姿ではないと思います。

しかしここで大切なのは、どんなやり方であれ、「本人にとって続けやすいスタイル」がまずは正解であるということです。寝転がってスマホで漢字をちょっと見ているだけであったとしても、それが本人にとって続けやすい学び方なのであれば、立派な「学習」と捉えていただきたいと思います。

②一度にいろいろなことを変えなくても良い

 昼夜逆転しているお子さんがちょっと勉強を始めようとしているとします。親御さんは喜ぶと同時に、つい「せっかく勉強するなら明るい時間帯にやったら?」と言ってしまうかもしれません。

 ただ本人には「ちょっと勉強してみる」ということ自体が一大決心かもしれません。それだけでもたいへんなのに、そのうえ生活リズムまで一度に変えられるでしょうか。そして「本人が続けやすいスタイルが一番の正解である」という言葉を思い出してみてください。昼夜逆転しているお子さんにとっては、まずは夜に学びなおしをしたほうが、ずっと頭に入るかもしれないのです。

 親御さんはついつい「いろいろなことをこの機会に改善してもらおう」と意気込みがちですが、一度にひとつで充分すぎるくらいなのだということを忘れないでほしいと思います。

③「勉強してみる」という言葉を喜びすぎない

 「本人にとって続けやすいスタイル」が正解と申し上げましたが、どんなやり方であったとしても、勉強から遠ざかっていた方にとって、少しでも勉強してみるというのは楽なことではありません。本人自身が「勉強してみようとは思うものの、実際やれる気がしない…」と感じていることも多いでしょう。

 そんなお子さんたちにとって、親御さんからのリアクションは気になるものです。とくに「オーバーなリアクション」は負担になってしまうことがあります。「勉強してみようかな」と一言漏らしただけで、次の日には親御さんが大量の問題集を買ってきた。それを見て「こんなに自分がやれるわけない…」と落ち込んでしまう。

 あるいは「勉強してみようかな」という本人の言葉に親御さんが大喜びしてしまい、それを見た本人は「私の勉強が続かなかったら、親はすごく落ち込むんじゃ…」とかえって怖くなってしまう。そんな例もあるのです。

 親御さんのほうが喜びすぎない、へこみすぎない、ということが本当に大切になります。(キズキ共育塾・半村進)

■筆者略歴/(はんむら・すすむ)5年半のひきこもり生活を経験。30歳で初のアルバイトを始め、現在は株式会社キズキで「学びなおし」を支援中。

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