不登校からの「学び直し」 ぶつかりやすい2つの壁とは

 不登校の子どもがいよいよ勉強をスタートしようとする、まさにそのタイミングでご本人に立ちはだかる「壁」があります。

壁その①「何から手をつけたらよいのかわからない」。

 勉強から遠ざかっていた場合、何からやればよいのか途方に暮れてしまうのも当然です。そんなときは、以下の3パターンから選んでみるとよいでしょう。

 パターン①は「とっつきやすい科目から始める」とういこと。「今思えば、この子は日本史だけは好きだった。とはいってもその日本史ももうずっとやってないけど」などという場合は、「手をつけやすい科目から始めてしまう」ことをおススメします。ほかの科目のことが気になるかもしれませんが、まずはそちらは置いておき、「少しでも手をつける」ことを優先してしまうとよいでしょう。

 パターン②は「本人が無駄と感じにくいものから始める」ということ。本人にとっては、日常で使うかどうかもよくわからない英語や数学、社会などにくらべて「漢字や日本語の語彙を増やす」ことなら「たしかに役立ちそうだ」と感じやすいかもしれません。

 そういう場合は、漢字や日本語の語彙をつけることから始める、つまり少しでも本人が無駄と感じない分野からスタートするのはよい手です。「将来だまされたくないので数字には強くなっておきたい」と考えて数学から始めたお子さんの例もあります。

 パターン③は「切り分けをしやすい分野から始める」ということ。
 理科の「植物の細胞」についてはまったくやっていないとしても、「月の満ち欠け」はあんがい理解できるかもしれません。数学でも「方程式はやってないが、円周角の問題は解けるようになる」ということはよくあります。

 このように単元ごとに内容がはっきり分かれている場合は「次のテストに必要な単元はここだけだから、ここだけ切り分けてやっちゃおう」というのもおおいにアリです。

一歩前進した証という意識を

壁その②「自分のできなさにショックを受ける」。

 昔は得意だった(はず)の数学の問題を見なおしてみることから始めてみたら、さっぱり解けなくなっていた。「やっぱり俺はもうダメなんだ」と思い、本人が沈み込んでしまう…。こんなことも勉強を始めたときにはありがちです。お子さんが落ち込んでしまうのは無理のないところですが、親御さんには「これは勉強を始めたからこそ起こる悩みなんだ、一歩前進した証だ」という意識を持っていただければと思います。

 また、お子さんに対し、もしできれば「勉強をやり直すとき、最初はみんなショックを受けちゃうものなんだって」という趣旨のことをちょっとお伝えしておけるとよいでしょう。

 お子さんは「調子のよかったときの自分」と「今の自分」を比較してしまってイライラしてしまいがちです。そのイライラを親御さんがぶつけられたときは、うまい返しや励ましの言葉を無理にかけるのではなく、落ち着いた態度で本人のイライラを聞いてあげることが一番です。「イライラを聞いてもらえた」ことで勉強が続いたと語るお子さんは多いです。

 また「先月までは勉強そのものができなかったけど、今月は××日勉強できているじゃない」と声をかけてもらって気が楽になったという例もあります。(キズキ共育塾・半村進)

■筆者略歴/(はんむら・すすむ)5年半のひきこもり生活を経験。30歳で初のアルバイトを始め、現在は株式会社キズキで「学びなおし」を支援中。

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