2年前、中2で学校に行くことをやめた息子は、フリースクールへ行くことを選択し、今は自分の成長を確認しながら、フリースクールに通いバイトに励み、ゆったりとしたいい時間を家族と過ごしています。
息子が不登校になったころ、私は世間がどうであれ「非難の眼差しからは息子を守りたい」と肩に力を入れて思っていたようです。でも、幸せなことに、信頼できる方々に私の気持ちを何度となく聞いてもらえる機会に恵まれました。徐々に肩の力も抜け、「こう思う、こうしたい、と選択をしていけばいい」と少しずつ思えるようになりました。話すことで閉塞感・孤独感から抜け出せ、人に共感してもらえることで、自分の気持ちに素直な道が見えてくるんですよね。
最近、わが家の近くで、不登校の子どもを持つ親が集まれる場《Tea Time》を立ち上げました。3人で始めた小さな会ですが、月1回集まっています。じつは、ここ1年ほどのあいだ、私の知人を通じて不登校の話を耳にすることが増えてきていました。また、私の住んでいる地域にはそんな親が気軽に集える場はありません。(きっと、母親はつらいだろうなぁ)とそのたびに感じ、親たちが心置きなく話せる場をつくりたいと思うようになっていました。連絡をとって出会った彼女たちもそういう場を必要としていました。ファミリーレストランで話していましたが、8月からは、川崎市男女共同参画センターを使えるようにもなり、人数も少し増えました。《Tea Time》ですから、夫のこと・学校のこと・不登校関係などの書籍のこと・不登校のイベント情報のこと、なんでも井戸端会議です。「今日、話せて、すっきりしたぁ。でも、もっと時間ほしいよね」と笑顔で帰路に向かいます。私もまだ、まっただなかの親ですから、グチってストレス解消、ほかの方の話を聞いて学ばせてもらっています。
不登校をきっかけに夫婦がいろんなことを話し合って、おたがい再確認したり理解しあえたりする機会にできるといいなと思います。母親がひとりで悩むのではなく、母として、妻としてのあふれる思いを、夫に話せる関係をつくれると心強いですね。世のお父ちゃん、お母ちゃん、フレー、フレー! 子どもたちよ、命と引き換えにするなら、不登校しよう。
いろんな成長の仕方があっていいはず。それぞれが選んでいいんだよ。それを、学校しか道はない」と言い切る世の中がおかしいよね。以前は、私もそちらサイドの人間だったんだろうな。息子の不登校はそれに気づかせてくれました。
2年前まで、息子が不登校になるとは思いもしなかったし、さらに私がその不登校を手に社会に向かって会を立ち上げようとするなんて……。
うん、人間って年齢関係なく、変われるもんなんだ。いやぁ、生きてるっておもしろいね。(東京都 田坂由紀子)
※Fonte 2006年10月15日号掲載


