人生のなかでは少なからず選択をしなければならない場面に遭遇することがあると思います。そんなとき、自分は何をしたいのか、どうしたいのか、わからなくなる人も多いと思います。生きていくのがむなしいと感じる人もいます。どう捉えればよい方向に向けるでしょうか?
◎ たった一度きりの人生だから
誰の人生でも、がんばりすぎて息切れしたり、途中で道に迷ったり、進む方向を見失ったりすることはあるものです。そんなときには、ひとまず立ち止まる勇気や休む時間を持つことが必要です。人生にこうあらねばならないという生き方はありませんので、それぞれの人が自分に合ったペースで生きていけばいいわけです。
何も考えずに社会や組織のいいなりになって流されて過ごすより、自分なりの考え方を持って深く思索をしながら生きていくほうが、人生はより豊かに過ごせるかもしれません。いったん社会の「常識」という枠組みから離れてみることで、今まで自分が持っていた価値観とは違うものも見えてくるのではないでしょうか。
世間ではニートや定職を持たない若者が増えて、社会不安になっているそうですが、人生80年として定職に就く時期というのは、実際にはその半分もありません。これからの脱工業化社会の世の中では学力や学歴だけではない職業の価値もかならず見直されてくると思います。自分がどんな職業に向いているか、どんな能力があるのか、大学を出たからといって、そう簡単にわかるものではないと思います。
生きる目標とか人生の意味とか、誰にとっても最大の悩みではないかと思います。それを見つけるために私たちは生きているのかもしれません。人生最大の不安は、進むべき方向が見えないことですが、生きる希望を見失わなければ、またチャンスはめぐってきます。自分が何をしたいのかに気づく時期を待つということもときには重要かと思います。
「若い人は、旅に出て人と出会い夢を語れ」と言った人がいます。旅というのは、たんなる旅行のことではありません。狭い日本を飛び出して、言葉の通じない世界の人たちや、異文化のなかで生活してみることも、価値観の転換につながったりします。人もいろいろ、文化もさまざまです。何が自分を変えてくれるかわかりません。人生はまだこれからです。
この世に無意味な人生はないのです。みんな何かの必要があって生かされているのだと私は思います。まずは思い切って、しっかり休んでまたいろいろ経験してみることです。誰もが一期一会の人生を生きているのですね。たった一度きりの人生を、自分らしく生きていきたいものです。(鳥取タンポポの会世話人・森英俊)
※Fonte 2006年6月15日号掲載


