6,7月の特集はスクールソーシャルワーカー。2000年代後半から注目を集めているスクールソーシャルワークとは何なのだろうか。第一人者の山下英三郎さんのインタビューやコラムを交えて「スクールソーシャルワークの視点」を紹介する。
11年6・7月特集-「スクールソーシャルワーカー」
- ■ 不登校を考える全国大会 スペシャルシンポジウム抄録
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1986年、私は「教育現場において、子どもたちの声に耳を傾けるサポートが必要である」と考え、「スクールソーシャルワーク」(以下、「SSW」)という活動を始めました。
きっかけは、70年代の後半から社会問題となっていた「校内暴力」でした。当時は子どもや親を責める論調が社会に蔓延していたのですが、私はちょっとちがうのではないかと感じていたんです。子どもたちがそういう行動に出ているなら、まず子どもたちの声を聞くことが先決なんじゃないかと。 - ■ 竹村睦子さんに聞く(上)
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今回、お話をうかがったのはスクールソーシャルワーカーの竹村睦子さん。実践例を踏まえながら、ソーシャルワークの仕事についてうかがった。
――スクールソーシャルワーカーは、どんな仕事をするのでしょうか?
ソーシャルワーカーの仕事は聞き取りから始まります。さまざまなかたちで子どもたちは困難を抱え、それを表現します。その困難というのは「環境との不適合である」と考えるのがワーカーの視点です。けっして子ども自身に問題がある、という見方はしません。環境が変化すれば子どものつらさは軽減されるという考え方から、不適合が起きている環境に働きかけるというのがワーカーのアプローチです。 - ■ 竹村睦子さんに聞く(下)
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――親への支援はどのようにするのでしょうか?
親に対しては、まずはいまの子どものありようを理解していただくことが大切だと考えています。子どもは端から見ればサボっているように見えるかもしれないけど、子どもなりに一生懸命、気持ちの折り合いをつけようとしていること、折り合いをつけるのは親ではなく子ども自身であること、自分がどんなふうに折り合いをつけようとしているのかを言語化できる子どもは本当に少ないことなどを伝えます。
- ■ 子どもたちに知ってもらいたいスクールソーシャルワーク vol.01
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スクールソーシャルワークは子どもの幸せ実現が目的
文部科学省が4月から15億円の予算をつけて、全国141の地域にスクールソーシャルワーカー(以下、ワーカー)を配置するっていうニュースが、各地の新聞に載ったから目にした人もいるかもしれないね。
SSWって知ってる?
でも、ワーカーがどんな人で、どんなことをするのかわからない人が多いと思うんだ。そこで、80年代の半ばからワーカーの必要性を訴えながら活動を続けてきた関係で、ボクがSSWのことについて何回かに分けて説明することにしたんだ。
- ■ 子どもたちに知ってもらいたいスクールソーシャルワーク vol.02
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スクールソーシャルワーカーの視点は「エコロジカル」な視点
SSWのことについて話をすると、決まってスクールカウンセラーと、どうちがうんですかって尋ねられるんだ。だから、まずそのちがいの部分から説明してみることにしようかな。
スクールカウンセラーになるためには、臨床心理士であることが条件となっているんだよね(例外もあるけどね)。「心理」士という名前が示すとおりに、カウンセラーは人の心理に焦点を当てて、カウンセリングという方法によって問題を解決しようとするんだ。つまり、問題は人の心の中にあるととらえるわけだ。 - ■ 子どもたちに知ってもらいたいスクールソーシャルワーク vol.03
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不登校への関わり方は?
つい最近の話なんだけど、学校に行っていない子を持つ親の人たちと話す機会があったんだ。そのときに、何人かの人たちが申し合わせをしたみたいに、担任から心療内科に行きましたかって尋ねられたって言うんだよね。子どもは家で元気に過ごしていて、親から見てとくに気になるところはないんだけど、先生たちからすると不登校は病院に行かなくちゃいけないような“ビョーキ”らしいんだね。
“ビョーキ”扱いをしないまでも、人間関係づくりが下手だとか、ガマンができないとか、子どもたちがおかしいっていう理由がいろいろあげられるけど、それってみんな本人に問題があるっていう見方でさ、本人が変われば解決するって考えられているんだよね。 - ■ 子どもたちに知ってもらいたいスクールソーシャルワーク vol.04
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傷つける専門家はいらない
SSWが全国的に導入されるからといって、単純に喜んでばかりいられないことの理由には、ワーカーが子どものことをどう捉えているかという問題があるからなんだ。子どもは大人より年齢が低くて判断力がないから、大人が指導したり、罰したりして育てなくちゃならないなんて考えているワーカーだったら、子どもの側としては歓迎する気にはなれないよね。そんなワーカーだったら、僕だって近づいてほしいとは思わないよ。
- ■ 子どもたちに知ってもらいたいスクールソーシャルワーク 最終回
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可能性に目を向けるサポーター
前回、一人ひとりを尊重することをスクールソーシャルワーカー(以下・SSW)は大切にしている、と述べたけど、もうひとつ重要な考え方があるんだ。それは、個人の可能性に焦点を当てるということ。僕たちは、何か問題、つまり悩みごとや人とのトラブルを抱えると、いつも自分の欠点などマイナスの部分を指摘されて、そこを直すように言われたり、場合によっては専門家に治療するよう言われたりするよね。


