教育といえば「学校教育」が世の主流ですし、それが普通だと思われていますが、学校制度とは異なる教育のあり方が、いろいろあります。フリースクールやホームエデュケーションは、学校外の教育と位置づけることができます。
ホームエデュケーションは、ホームスクーリングとも呼ばれ、学校へ通うかたちでなく、家庭をベースに育っていくあり方を指しています。欧米では早くから拡がり、アジア各国でもみられるようになりましたが、日本では、欧米の影響や宗教上の理由もあり、70年代から少数の人々のあいだで行なわれていました。しかし、不登校の増加を背景に、90年代からより拡がっています。
ホームエデュケーションの直訳は「家庭教育」。ですが、日本では、「しつけは家庭教育で」などと言われるように、学校教育を念頭においたうえで使われる言葉なので、直訳ではニュアンスまでは伝えられません。そのため、英語表記のまま使われてきました。ホームエデュケーションは、家庭を拠点にするあり方といっても、不登校とは異なる概念です。不登校は、学校へ行っていない状態をさす言葉で、学校を軸としていますが、ホームエデュケーションは、積極的に、家庭で育つあり方を教育の一方法として選んでいるので、そこに意識の差があります。
いま日本の不登校の半数以上が在宅で過ごしていると言われます。同じ過ごすなら、今の自分を「学校へ行っていなくてダメなんだ」と否定的にとらえるより、家庭を中心に育っていくことを肯定的にとらえ、やりたいことをやり、学びたいことを学んで自分を充実させるほうがずっとプラスです。
在宅で、といっても、家庭、地域につながる人々との交流やさまざまな社会資源を使って、親が責任をもって育てます。しかし、親が教師がわりをして教科を教えるというのでなく、その子の興味・関心を大事にしながら個性を伸ばしていくのです。具体的な方法は家庭によりさまざまで、こうすべきというものはありません。お子さんにあったかたちで、親子で日々を楽しんで暮らす、そのような育ちで成人し、いま自立した社会人となっている人々の存在も知ってほしいものです。
2008年4月1日 Fonte掲載


