家にとじこもっていたとき、テレビを観る機会が多かった。
 アニメーションだけだったら、平面でただの絵だけど、声優さんが声だけで演じることによって、「ただのアニメ」が、生きたものになる感じがして「スゴイ!」と感じ、声優に興味を持った。
 声優としてご活躍中の関智一さんにお話を伺った。【長野子ども編集会議】

関智一さん

―声優になろうと思われた時期、きっかけは何ですか。
 テレビが好きで、刑事ドラマを見ると刑事に、お医者さんのドラマを見るとお医者さんになりたいなと思うようになって、そんなに欲張りだとどれになっていいかわからなくて親に相談したら、父が「役者さんになったらいいよ」と言ったんです。役者だといろいろな職業になりきることができるからって会話したのが自分の中で意識した一番最初です。
 僕は、小学校の途中くらいからテレビとか映画に出てくる人はかっこよかったり運動神経が良かったりしないとなれないんじゃないかと思って、誰に何を言われてもないのに自分一人で挫折感を味わって、でもお芝居は続けていきたいのでどういうふうにやったらいいかなと思ったときに、「声だけだったらいいや」っていう感覚で声優になろうと思いました。

―声優にはどのような訓練や勉強が必要ですか。
関 お芝居って法則とかがないので、上手くなるために何を練習したらいいのか見定めるのが難しいんですよ。だから、自分が興味を持ったことは「何でも思いっきり知ってみる」そういう好奇心が強いといいんじゃないかな。

―声優になるために学歴は必要ですか。
 いや、学歴はいらないですね。誰かが「本当の勉強は感動することだ」と言っていたので感動することができれば自然に覚えたりとか身に付いたりとかするじゃないですか。

―自分の考え方や生き方を貫いてゆくなかで周囲の反対があると思いますが、そのようなことはありましたか。
 僕の場合は面と向かって「やめた方がいい」と言ったのは両親ぐらいだったので、あんまり悩まずにやりたいんだからやると考えました。

―なるために声質の向き不向きはありますか。 
 僕はあんまり関係ないんじゃないかなと思っています。いろんな種類の人間がいるじゃないですか、だからきれいな人とかかっこいい人ばっかり集まってても味気ないし、いろんな特徴のある声の人がいっぱいいたほうがおもしろくなる。声質がかっこいいからかっこいい役ができるわけじゃなくて、しゃべり方とかも影響してくるので人間性が出せれば、声とか関係なく声優や役者にはなれると考えてます。

―一番必要なことはなんだと思われますか。
「いいかげんさ」かな。声優さんはある一定の期間のあいだにいっぱいの役を演じないといけなかったりとかすることが多いんですよ。一日に3役とか4役とか。一個に集中しすぎてそれの切り替えがきかなかったりすると疲れてしまう仕事なので、「ちょうどいいかげん」という意味で切り替えができる感じがいいんじゃないですかね。

―さまざまな活動をなさっていますが、なぜ舞台などもやってみようと思われたのですか。
 舞台は元々好きだったこともあるし、声優さんと舞台というのは根っこは同じ「人物を演じる」ところでくっついてる。木にたとえるとわかりやすいんですけど、お芝居という木があって、枝がいっぱいあってその枝の一本が声優とか、舞台とか、いろいろそういうふうに分かれているという感じだと思います。表現の仕方をいろいろ学びたいということもあって、声優やったり、舞台やったりしています。

―今後どのようなことをしていきたいと思っていらっしゃいますか。
 そのときどきで興味のあるものをやっていきたいなと思っていますが、なにより、自分が楽しんで生きていけるようなことを今後も続けてゆきたいです。それを見て下さってる方が喜びを感じてくれたりすれば、この上なく嬉しいなというぐらいです。僕は料理作ったりするのとかも好きなんで、お金に余裕があればお店なんかやれたらいいなとも思うし、本当にいつも夢は尽きず、死ぬまでやりたいものをずっと見つけて、楽しくて愉快なおじいちゃんになれるといいなと思っています。

―声優になりたい人たちに一言お願いします。
 本当の意味でお芝居を好きになってもらい、自分の感動できるものにいっぱい触れて、感動することを楽しめるような人間とか大人になっていけるといい役者さんになれるんじゃないかなと思います。

―ありがとうございました。【長野子ども編集会議/柏あかり(15)、鈴木里美(16)、久本香織(16)】

関智一(せきともかず)1972年東京都生まれ。声優。
主な出演作品、『機動武闘伝Gガンダム』ドモン・カッシュ役、『ポケットモンスター』ケンジ役、『リニューアル版・ドラえもん』スネ夫役、『アニメ版・のだめカンタービレ』千秋真一役など。

2001年2月1日 不登校新聞掲載