不登校・ひきこもり体験手記である「わたしの場合」。今回はクラブイベントを企画している梶井素子さんが執筆した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校には行けない。
自分の将来が暗くみえる。このまま、家にいられたらいい。外に出るのは自分を痛めつけることと同じに思える。
でも、家に居続けることなんてできるだろうか。いや、無理に決まってるし、親はいつか死ぬし、居心地はどんどん悪くなっていくだろうし。
こんな自分は情けない。みにくい。
死のう。
死ぬ。どうせならもっと遊んでから死にたかったな。ちょっと悪いこととかして……。
よくそんな風に思っていた。悪いことってなんだろうか。やっぱりちょっと悪そうな人たちといっしょになってとか、飲酒するとか、タバコ吸うとか。
それとも、自分よりひ弱そうなヤツを見つけて徹底的にいじめ抜くとか。
でも、こんなこといつでもできる。みんな年をとったってやってる。できる。
どうせなら……やったあとに残る罪悪感を味わえるような、「すいません、生きててすいません、お母さん……」みたいな。でも、やってる最中は、めちゃくちゃ楽しくて、若いうちしかできないバカをやりたい。
そこで空想してみる。たぐいまれなる頭脳を持ち、悪事をくり広げる少年……、もう、この時点で美化しちゃってる。そう、空想で終わる「悪人」。
これで唯一自分が誰よりもたくさん持っているもの、不本意にも与えられた恐ろしくたくさんの“時間”をつぶすことができる。「ああ、こうやって、自分の人生は終わっていくんだ」と、たそがれていた。
人と人は支えあって生きている。とかいう、ちょっとまともなことを考えてみる。
そう、悪いことするにも支えあって悪いことをしている。
どうせなら、悪いことするにも楽しくないと。で、うまくいけば次へつながる。
そんな野望(?)を抱いた私は大人になり、わざわざお金と時間をつぎ込んで、同じ野望をもった人間に、悪いことをできなくて困っている人間に、ちょっと悪いことの入口へ連れ込もうとイベント「踊らNIGHT」を計画している。理由は「楽しい」から。
いま、自分たちにやさしく声をかけてくれる“良心的”なイベントになんて出たくない人たちへ向けて。「外は楽しいよ」「仲間をつくろう」「学校にも行けるようになるよ」みたいな声、私は信用できなかった。だから「ちょっとそういうの遠慮しておきます」っていう度胸をみせられる人へ。
世の中ちょっと悪いことであふれています。自分もどちらかというとそっちです。
こういう場に文章をのせているからってけっして先輩面できる人間ではないです。私もいま、罪悪感を感じながらも社会に出て行くという冒険を楽しんでいるひとりです。
仲間がほしいと思いました。それが私がこの文章を書いている一番の要因なのです。
どうせ死ぬなら、悪くなってからでもおそくありません。
どこかの小説の冒頭みたいに「恥の多い人生でした」みたいなことを遺書にかけるように。
将来のことなんてそんなふうになってから考えてもおかしくないことを、多くの大人は知っています。生まれた日を祝うように、死んだ日を祝福できるくらいになりたいものです。 梶井素子 千葉県22歳
■2010年2月27日 クラブイベント「踊らNIGHT」
場 所 「カフェ・スロー」(東京)
最寄り「国分寺」駅
時 間 午後6時~9時30分
参加費 1500円
出 演 滅子(ヴォーキングダンサー)、
汰椿(アニメーションダンサー)など約10組
主 催 梶井素子
連絡先 kr_knd1023@yahoo.co.jp

この記事をtwitterでつぶやく
