11月23日、東京シューレ葛飾中学校にて、フリースクール全国フェスティバルが開催された(主催・NPO法人フリースクール全国ネットワーク)。フリースクールフェスティバルとは、01年に「フリースクールからのカルチャー発信」をテーマに始まったイベントのこと。毎年、全国各地でイベントが開催されている。今年の全国フェスティバルは福島県や香川県からも参加者が見られ、500名の参加者が集った。

今年の全国フェスティバルも、子ども市、バンド演奏、講演会、シンポジウム、爬虫類鑑賞室、映像や絵画の作品出典などで盛り上がった。
食堂に設置された子ども市では、おにぎり屋や定食屋などの食べ物を売る店から、お菓子や洋服・カバンを売る店など7店舗が居並んだ。定食屋「九州フェア」は、東京シューレの子どもたちが今年の夏、熊本県水俣市に旅行したことを受けて開いたお店。売られていた「うまか定食」は、水俣産のひじき、じゃこ、さつまいも、さつま揚げをつかった料理が並び、限定60食はすぐに完売となった。
松山歩未(10歳)さんは、今年初めて出品を経験。自宅でつくったチョコレートケーキを販売したところ、売り上げは上々。「いっぱい売れたら、ぬいぐるみを買いたい」と笑顔だった。
各フリースクールからのブース出展もみられ、埼玉県のフリースクールりんごの木は、メイド喫茶の変形版「メガネスーツ喫茶」を開店。香川県のヒューマン・ハーバーは人形劇「左団扇」を披露した。

◎ 居場所の未来を拓く

フェスティバルで行なわれたシンポジウムは二つ。「フリースクールの未来を拓くには」と題して、亀田徹さん(PHP総合研究所主任研究員)、氏岡真弓さん(朝日新聞教育エディター)、児玉勇二さん(弁護士)、小宮山洋子さん(衆議院議員)、増田良枝さん(フリースクールりんごの木代表)が登場(司会は東京シューレ代表理事・奥地圭子)。
衆議院の小宮山洋子さんは自身が事務局長を務める「フリースクール環境整備議員連盟」に触れ「行政は学校復帰前提の支援しかせず、居場所への支援も既存の枠組みに当てはめようとしてるだけ。なんとか居場所、ホームエデュケーションといった多様な学びのかたちを応援したい」と話した。
亀田徹さんは「フリースクールから学んで学校以外にも学ぶ場があると考えるようになった」と話し、児玉勇二さんは、1948年に採択された世界人権宣言などに触れ「人権を軸に据えた法整備が必要」だと訴えた。増田良枝さんは「文科省や行政との対話をすすめながら、子ども中心の場が広がるよう活動していきたい」と話した。
一方、「子どもシンポジウム」では、フリースクールに関わる15歳から20歳までの子ども・若者が登場。フェスティバルの副実行委員長をした山本紘くん(15歳)は、「フリースクールはどんなときでも、話し合って決めていく。それが『めんどうだな』だと思うこともあるけど、ふり返えれば楽しい思い出になっている」と話した。
また、貝沼悠さんは「学校と居場所を比べると、スタッフへの信頼感のちがいがある。長いあいだ、どんなことでも相談に乗ってくれたスタッフには、絶対的に信頼している」と話していた。

◎ 巨大地上絵をキャンドルで

フェスティバルの最後を飾ったのは地上絵プロジェクト。当日、校庭全面に縦37m、横幅50mという巨大な地上絵が描かれ、それを2000個のキャンドルがライトアップした。
地上絵プロジェクトの松原麦果さん(18歳)は、地上絵プロジェクトを進めた理由として「私は学校でいじめもしたし、いじめられもした。その後、真っ暗な気持ちになって、自傷もしたし、拒食もしたし、大好きな家族に暴力をふるい続けたし、自殺未遂で開放骨折までした。そんな状況のなかでも、病院の人、家族の人、居場所の人が自分のことを受けとめてくれたから、生きてこれた。誰にとっても受けとめてくれる場は必要なんだと思う。そういう思いを込めて、この地上絵をみんなでつくりあげたかった」と話した。
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来年もまた、フリースクールどうしのあらたなつながりを生む場として盛会が期待される。