バレンタインデー。それは各社がしのぎを削って、バレンタイン景気を奪い合う、下剋上の日。あるものはゴージャス志向で、あるものはキュート路線で覇を競う。そんななか、愛するべき挑戦者と呼べばいいのか、「新しい味」に挑む人たちがいる。これまでのチョコレート概念をくつがえすような新しいマッチメーク。今回はそんな「新しいチョコレート」を目指した商品を並べてみたい。

◎昆布飴と

 川本昆布食品が提供する『チョコポン』。「チョコレートをソフトな昆布飴で」くるんだチョコポンは「お子さまのおやつやお茶づけなどに最適」だそうだ。カワモト昆布は1959年に越前若狭の「昆布」の加工業者として創業。現在は、全国はもとより海外にまで昆布加工製品を卸す企業である。昆布を愛すがゆえのマッチメークか。

◎きなこと

 チロルチョコは、きなことチョコレートを混ぜた『きなこもち』で大ヒット商品を生んでいる。んが、紹介するのはこっち。『北海道十勝きなこちょこ』、北海道十勝産きなこをホワイトチョコレートに練りこみ、北海道産大豆を包んだお品。販売元の道南食品は「いま大豆ブームですから、きなこも売上を伸ばしていますし、道内の企業としては北海道産の名物を取り入れたかった」と開発理由を明かす。お味も「意外と合うんですよ」と満足げであった。

 道南食品は、ほかにもあずき風味のホワイトチョコレートをあずきで包んだ『北海道十勝あずきちょこ』、北海道道南産の昆布パウダーをチョコレートに練りこんだ『がごめ昆布チョコレート』などのラインナップもそろえている。

◎高麗人参と

 韓国のおみやげ品として好評を得て、いまでは国内からでも通販でお買い求めできる『高麗人参チョコレート』。滋養強壮に効果があるといわれる高麗人蔘のペーストが入ったチョコレート。高麗人参なんてっ! とか言うんじゃない。そもそも、チョコレートは紀元前1100年ごろ、マヤ文明の初期からつくられたと言われ、薬の一種として飲まれていたのだ。韓流とマヤ流の良薬コラボレーション。チョコを薬としていただく原点回帰の一品か。

◎さきいかと

 『いかチョコ』は、「珍味さきいかにグルンとチョコをコーティングしためずらしいお菓子」。4月~9月は溶けやすいために冬季限定品である。しかし、なぜ、さきいかとチョコをトッピングしてしまったのか? タクマ食品に直接訪ねてみると「まあ、あの……、チョコと混ぜてみようかっていう、思いつきですから……」と率直なご意見をいただいた。商品開発期間は「ちゃちゃっと1カ月ぐらいで」完成。そのお味は「めずらしい味です。とってもおいしいというものではありませんから、ほかの社からも類似品は出ないと思いますよ」、と正直なお返事が聞けた。

 タクマ食品は『いかチョコ』をはじめ、べっこう飴に干し梅を丸ごと1個いれた『梅入り黒べっこう飴』、柿の種と落花生を組み合わせた『揚げ塩サラダね』など、新味に挑戦し続ける会社でもある。

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 そのほか、『豆腐生チョコレート』や『焼酎生チョコ』などの新しいチョコレートもある。
 調べてみれば、いろいろとあるもんだ。バレンタインデーってすごいよなあ。(石井志昂)

※2006年2月15日 Fonte掲載